2019/05/17

今回は、前回の「何故自然農なのに、植物性肥料を用いずに鶏糞を使用するのか」と言う記事の続編です。
これは今の畑で初めてイノシシの被害を受けた時からの
ウチの一貫した方針なのですが…。
「イノシシを往(い)なす。」
ということに挑戦しています。
「この方針は誤解を受けやすいかな?」
と思っていたので今まではブログでもホームページでも紹介していませんでした。
そのクセ、受けたイノシシ被害は紹介する
というあたりに矛盾を感じてはいました。
自分の中でも考えが固まっていない部分があったのでしょう。
今回紹介するに至った理由としては、
「畑と向き合っていくことに対する自分の中での位置付けが定まりだした」
ことが一番大きいのかなと感じています。
それではこの「イノシシを往(い)なす」という方針を
説明していきたいと思います。
~~
私が「往なす」という言葉を使っている一番の理由は、
「相撲の観戦が好きなこと」です。
相撲の解説を聞いていると、「往なし」という言葉がよく出てきます。
相手が突っ張ってきた時に、
その腕の肘や上腕をタイミングよく突き上げたりする事を言います。
こうすると、相手の突っ張りの力の向きが変わって威力が弱まります。
それを、イノシシに出来ないかな~と言う事です。
「往なす」という言葉の意味には、攻撃を簡単にあしらうというものがあります。
理想は、こうなります。
簡単に、あしらえるのでしょうか?苦笑
さて、まずはこの方針に挑戦するに当たっての条件があると思います。
1、その圃場への大きな獣害はイノシシのみで、
サルやシカ、野うさぎ等の獣害が無いこと。
2、専業で畑をやっていくことはまず無理であろうと腹を括ること。
畑と自分たち自身と、ウチはこの2つの条件をクリアしています。
そして、挑戦するに当たって決めた方針が、
1、その圃場に柵等の物理的防御はせず、
いつでもイノシシが入場可能な状態を保つ。
2、イノシシの食べる作物は作らない。
3、イノシシの食べる肥料は撒かない。
と言うことになります。
そこで、以下の作物は現在ウチの畑では作付けが出来ません。
・イモ類(サツマイモ、ジャガイモ、サトイモ)
・マメ類(枝豆、大豆、落花生)
・ウリ類(カボチャ、スイカ)
・イネ類(トウモロコシ)
今のところ、このあたりの作物に被害歴があります。
この数年で一番痛かったのは枝豆(大豆)です。
「これは食べないだろう。」と勝手に思っていて、収穫寸前にやられました。
同じマメ類でも、インゲンやササゲ、エンドウやソラマメは食べないようです。
アズキは今年は無事に出来ましたが、
色んな方のブログを見るとイノシシに食べられた様な記事も見受けられます。
恐る恐る作っていますが、やられるまでは作り続けようと思っています。
そして、撒けない肥料はコチラ
・植物性肥料
→米ぬか、油粕
・動物性肥料
→魚粉、魚や肉の食べカス
このあたりです。
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まとめますと、作物は穀物系を中心に作付けが出来ません。(痛いです。)
肥料は、植物性の即効性のあるものが使えないことが一番の特徴です。
~イノシシから見て魅力の無い畑を作ることによって、
イノシシは来るけれども素通りしていく畑に。~
こんな事に挑戦しています。
「近くにもっと良い餌場があるし。」みたいなことを言いながらですね。
現状ですが…。
開業してからは、
現在メインになっている圃場への大きなイノシシ被害はありません。
ただ、他に近くに借りている圃場では
どの作物を作付けしても数日以内に掘り起こされるような、
特にイノシシからのマークがキツい圃場があったりもします。
こう言ったところです。
「何故こんな方針に挑戦しているのか?」
と言ったこともまた紹介出来ればと思います。
それでは今日はこの辺で。
最後まで読んで頂きましてありがとうございました。