2017/11/28

今日は先日UPした、自然農法で独立するメリットを考えてみるの続きで、自然農法で独立するデメリットを考えてみようと思います。
というよりも私、自然農法をされている方で専業で経営できている方にはあまりお会いしたことがありません。
多分、非常に数が少ないのではないかと思います。
自然農法の中にも色々な農法がありますが、よこや農園でお手本にさせて頂いている自然農で言うと、この本の著者の方くらいしか思いつきません。
自然農の野菜づくり [ 高橋浩昭 ]
この著者の方は、自然農を実践しながら一年間持続して約三十件ほどのご家庭への野菜セットを供給されているとのことでした。
これはものすごいことだと思います。漬物等加工食品も上手く使われているようです。
ちなみにうちは、夏野菜が切れてあと一週間で一月になります。
までなることができるのに、あと何年かかるか分かりませんが、非常に参考にさせていただいています。
三年ほど前に一年間通わせて頂いた「福岡自然農塾」の方々も、専業の方はおられないように思えました。
専業というのも括りが難しいですね。
私の言う専業とは夫婦どちらとも、他の稼ぎ無しに農業収入のみで経営出来ている農家さんというところに限ります。
よって、時間を見つけてアルバイトをしたり、夫婦どちらかが稼ぎに出たり、もしくは何らかの副収入なんかもあったりというものに頼らずともやれれば専業でしょう。
要は、自然農法を専業で経営を安定させるということは、非常に難しいことである。
ということがまず前提にあると思います。
もう少し具体的にまとめると…
慣行農業と比べて、
・面積当たりの収穫量が少ない
・面積当たりの作付けの手間が大変
・安定した売り先を見つけることが難しい
ということになるでしょうか。
まず「面積当たりの収穫量が少ない」ですが、
まず私は、慣行農業の農薬と化学肥料の発明と農作業用の重機の発達は非常にすごいことだと思っています。
何かの本で、今の慣行農業のお陰で先進国では飢饉が起きないのであるという内容を読んだことがありますが、まさにその通りだと思います。
比べて農薬、化学肥料を使わない農業では、どうしても収穫量では慣行農業には勝てないと私は考えています。有機肥料だけの時代は、大きな戦争も無く安定していたといわれる江戸時代でさえたびたび飢饉が起こっておりますので。
次の「面積当たりの作付けの手間が大変」ですが、
これは重機を使わないからです。トラクターで耕して、一度畑をリセットして植え付けをする方がどんなに楽かということですね。
私は昔一ヶ月ほど慣行農業の農業法人で働いたことがありますが、1000坪の畑に作物を植えてしまうのが早いこと早いこと。
いまのうちと比べると数十倍の早さがあるのではないかと思います。
ですのでこの二つのデメリットを合わせて、非常に全体の収穫量が下がってしまうのがお分かり頂けるでしょうか?
最後の「安定した売り先を見つけることが難しい」ですが、
慣行農業であれば農協その他農業組合、卸業者、飲食店、物産館等いろいろ販売されています。
自然農法の作物は収穫量がどうしても少なくなってしまいますので、上記の慣行農法の作物と同じテーブルで争うと、どうしても値段を叩かれてしまいますので経営が成り立たなくなります。
ですので、自分の作物を希望の、もしくはそれに近い価格で安定して販売できるルートを確保していかなくては自然農法の経営は難しいのではないかと私は考えています。
なかなか自然農法での独立が大変そうなのはお分かり頂けたでしょうか?
ではなぜよこや農園はそれでも自然農に挑戦するのかと言いますと、
・デメリットはたくさんあるが、メリットを最大限に活用してどこまでやれるか?
・自然農法の技術を伝えていく人が世の中に存在することは大切なことである。
・自然農法は収入を増やそうとする人よりも、支出を減らして足るを知って生きていこうとする人に向いていると思うから。
こんなことを考えながら畑と向き合っております。
拙い文章でお見苦しい限りですが、読んで下さった方の何らかのヒントになれば嬉しく思います。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。